<高校野球南北海道大会:北海6-0札幌一>◇19日◇決勝

 古豪北海が6-0で札幌一を圧倒し、南北海道大会を制覇、9年ぶり34度目となる夏の甲子園を勝ち取った。地区の初戦から1人で投げてきたエース鍵谷陽平(3年)がこの日も最速144キロの速球を駆使し、6安打8三振の力投で完封した。

 長い夜がようやく明けた。夏の甲子園全国最多の33回目を果たしたのは99年。足踏みが続いているうちに全国最多は松商学園(長野=34回)に抜かれ、駒大苫小牧には先に全国制覇を許した。そこに現れた「救世主」が鍵谷だった。

 道南の七飯(ななえ)町からやってきた右腕が、ほとんどすべての試合で投げチームをけん引。中学で硬式を経験する者が多い中、軟式出身の鍵谷は帽子のツバに自ら「雑草魂」と書き自己を鼓舞した。平川敦監督(37)と熱い抱擁を交わしたエースは「やっと先生を甲子園に連れていけます」と最高の笑顔を見せていた。