<高校野球青森大会:五所川原農林6-2青森北>◇20日◇準々決勝

 五所川原農林が6-2で青森北を下し、30年ぶりにベスト4へ進出。38年ぶりの甲子園まであと「2」とした。エース工藤嵩之(3年)が7回を3安打2失点の好投。8回から救援の左腕仙庭功也(3年)も、残り2回を打者6人でピシャリと抑えた。

 五所川原農林が終始、主導権を握った。1回裏1死二塁から3番長谷川賢(3年)の右前打で先制。さらに押し出しなどで3点を奪い、青森北のエース成田恭兵(3年)を攻略した。長谷川は「速球に振り負けないよう、強く振り切ることだけを心掛けた」と声を弾ませた。

 先発工藤は「あの3点で気持ちを楽に投げられた」と感謝する。青森北に1点差に詰め寄られたが、踏ん張った。8回からは仙庭が救援し、反撃の芽を完ぺきに断ち切った。8回裏には8番成田公平(3年)の中前2点打などでダメ押し。「ナイスゲーム。うちの試合ができた」と平山監督は顔をほころばせた。

 78年夏、五所川原農林は準々決勝で優勝候補の弘前実を破り、準決勝に進出したが青森北に敗れた。黒滝将悟主将(3年)の父晃仁さん(48)は、長男と同じ主将で三塁手だった。晃仁さんは「息子がリベンジしてくれました」と大喜び。黒滝は「父は何も言わなかったが、気持ちは分かっていた」と笑った。

 20日の準決勝は青森山田戦。昨年秋の準決勝は1-10(7回コールド)で敗れているが黒滝は「今日のように自分たちの野球をすれば勝てる」と今度は自分たちのリベンジを宣言した。【北村宏平】