<高校野球千葉大会>◇26日◇決勝

 ノーシード校八千代東が初の千葉代表となった。県立校は強豪拓大紅陵に競り勝ち、8試合中6試合で1点差勝ち。ミラクル野球で頂点にのぼりつめた。

 最後の打球が右翼の上条優太外野手(3年)のグラブに収まる。その瞬間、ナインは、喜んでいいのか整列が先なのか、戸惑っていた。ノーシードの県立高が、快進撃の末につかんだ初優勝。広瀬和将外野手(3年)は「慣れていないので…」と照れて笑った。

 チーム打率はわずか2割3厘。だが、勝負どころの1本で次々とミラクルを起こしてきた。4-4の同点で迎えた9回表1死二塁、準決勝で決勝打を放ったヒーロー3番高橋勝之外野手(3年)が打席に入る。高橋は「(接戦の)こういう展開には慣れていますから」と落ち着いていた。外角スライダーをはじき返すと、チームの思いを乗せた打球は二塁手の後方で落ち、決勝点を奪った。

 先発したエース村上浩一投手(3年)は全8試合に登板し、6試合目の完投勝利を挙げた。74回1/3を投げて失点15。初戦後、背筋痛となったが「(相手打線に)ノックをさせているだけだ」と言い聞かせ、守備を信じて打たせてとった。

 春の初戦敗退後、片岡祐司監督(43)は内野も外野も、ゴロの捕球の基礎から徹底的に洗い直した。専用の野球場は持たず、グラウンドは他の部活動と共用。練習は自然と守備が中心になる。片岡監督の信念は「地元の子でも、公立校でも守備を磨けば甲子園に行ける」。今大会は8試合で失策は9、1試合平均1・125個。昨夏、1試合7失策で2回戦敗退した時からの格段の進歩が、実は3試合の延長を勝ち抜き、優勝候補も撃破したミラクル快進撃の土台だった。

 それでもエース村上は「今回はやっぱり、ミラクルです」と笑う。かつて入学時の面接で「八千代東の名を全国に知らしめます」と宣言したという。本気ではなかったというが、言葉は現実となった。エースは「甲子園でもやることは変わりません」。普段の野球ができれば甲子園でもミラクルは起きるかもしれない。

 ◆八千代東

 1977年(昭和52)創立の県立校。現生徒数は732人(うち女子403人)。野球部は77年創部。部員数39人。今回が春夏通じて初の甲子園出場となる。主なOBはお笑いコンビあさりどの川本成ら。所在地は八千代市村上881の1。福尾俊彦校長。