<高校野球京都大会>◇22日◇4回戦

 京都に2年生の怪腕がいた。東山・並川佳志(よしゆき)が京都すばるを1-0で完封し、2年連続8強進出を決めた。1回戦・京都農芸戦の5回完全に始まり、28イニング連続無失点を継続中。頼もしい右腕の快投で、8年ぶりの優勝へ前進した

 京都に現れた新星がひとつひとつ、ライバルを倒して行く。東山の134キロ右腕・並川が、1回戦の5回完全に始まり、9回完封、無失点救援、そしてこの日が2度目の9回完封。京都すばる・小林大和(2年)との投手戦を1-0でしのぎきり、右手で軽くガッツポーズを作った。

 5回無死二塁など5度得点圏に走者を背負ったが、先には進ませない。「走者を出しても次の打者を抑えればいいと思って投げた。ツーシームを身につけたことが大きいです。右打者の内角にシュート気味に沈むので、相手が振ってくれる」。かつては思うように曲がらずあきらめかけたツーシームだが、投球の幅を広げる狙いで今夏大会前に再度習得に取り組んだ。再挑戦が功を奏した。

 洛東中時代は京都市東山区の自宅から同山科区の練習場まで片道約40分、東山トンネルを通って自転車で通うのが日課だった。途中の坂道は立ちこぎでペダルを踏み、13歳から足腰を作ってきた。「下半身の安定があるから粘り強く投げられると思います」。尾迫(おざこ)大樹監督(32)は「速球でどんどん三振を取る華はない。ただ走者を出してもそこから大崩れしない」と分析。同監督は東山ではレッドソックス岡島の2年後輩で、高校時代には南京都・斉藤(ソフトバンク)と対戦した。好投手をよく知る監督が、2年生エースの長所を指摘した。

 どこまで連続無失点を続けるのか。どこが並川から点を奪うのか。新しい京都の顔が8年ぶりの代表へ、快記録とともに前進して行く。【堀まどか】