2010年4月18日、トロントでのブルージェイズ戦で当時エンゼルスの松井秀喜さんがメジャー通算200本目となる二塁打を放ち、客席にいた長嶋茂雄さん? から祝福を受けました。

トロントのロジャースセンター一塁側ベンチ真横の客席には、いつも同じ男性が観戦しているのは長年の取材で気付いていました。大抵はブルージェイズの帽子をかぶっててますが、この日は黒にオレンジYGの巨人帽!なんとなぁーーーく気になります。

初回、一塁ベンチ外側のカメラマン席から試しに松井さんと絡めて撮影。カメラのモニターを確認すると、うーん誰かに似てる、いや似てないかなぁ。試しに他の選手と絡めてカメラの絞りを少々変えて、被写界深度をやや深めにすると、やっぱ似てるかも、松井さんの恩師の長嶋さん(以下ミスター)に。

で、今回のミッションは、メジャー通算200本二塁打を達成した松井さんと客席のミスターを絡めて撮ってみましょう、に決定したわけです。

2打席目は三塁側から撮影です。松井さんがベンチからネクストバッターズサークルに向かうときに絡めてみました。うーん、これは互いに距離が近すぎてミスターのお顔がハッキリ分かってしまう。この場所じゃない。

(そうなんです。若干ぼけていないとミスターには似ていないのです。)

ここではない。移動です。一塁側には2つのカメラ席があり、第1打席で撮ったベンチ横ではなく、一塁とライトの中間カメラ席でトライ。打席を終えて帰ってくる違う選手とファンを400ミリの絞り「4・5」(開放は2・8なので一段と少し絞り状態)で撮ると、なかなかミスター感が増しました。ここでバッチリ決めましょう。

そんなこんなで迎えた6回2死二塁の第3打席。松井さんはメジャー通算200本目となる二塁打をセンターへ放ちます。もちろん打撃写真を完璧に撮るのは当然です。が、私には大切なミッションが残っています。「ミスターとの絡み」です

その後、後続の打者がアウトでチェンジ。二塁の松井さんは三塁を回り、アウトになる打者を見ながらホームへ。絡む、絡め、絡んでくれーー、絡んだー、と連写連写、撮るべし撮るべし撮るべし。

モニターを確認すると、ミスターはベンチに戻る松井さんを拍手で祝福していました。茶色いサングラスもエエ感じで効いています。勝手に妄想し、うまくぼかして最高の絡みが撮れました。

MLBもまもなく再開です。待ち望んだシーズン到来ですが、今季は無観客。ファンの笑顔を選手の直近で見られる日が早く来てほしいものです。【菅敏】

(ニッカンスポーツ・コム/WBBコラム「カンビンの早く観たい撮りたい伝えたい」)