ドジャース大谷翔平投手は、史上2人目の「トリプルMVP」となるでしょうか。メジャーリーグのポストシーズンは、ワイルドカードシリーズが終わり、地区シリーズに突入しました。いよいよ、ドジャースが4年ぶり世界一へのスタートを切り、メジャー7年目の大谷投手にとって、10月の戦いが始まりました。

大谷といえば、2021、23年のア・リーグMVPだけでなく、昨年3月のWBCでもMVPに輝くなど「MVP男」として有名です。その大会で侍ジャパンの優勝に貢献するなど、短期決戦でも類いまれな勝負強さを発揮。プレーオフ、ワールドシリーズでMVPの期待も高まります。

メジャーは1955年からワールドシリーズでMVP、77年からナ・リーグ、80年からア・リーグの各プレーオフ、いわばリーグ優勝決定シリーズでMVPを制定。09年ヤンキースの松井秀喜外野手が、日本人初のワールドシリーズMVPに輝きました。

これまで同じシーズンでプレーオフ、ワールドシリーズともMVPに選出された選手がいます。古い順から79年ウイリー・スタージェル一塁手(パイレーツ)、82年ダレル・ポーター捕手(カージナルス)、88年オレル・ハーシュハイザー投手(ドジャース)、97年リバン・ヘルナンデス投手(マーリンズ)、08年コール・ハメルズ投手(フィリーズ)、11年デビッド・フリース三塁手(カージナルス)、14年マディソン・バムガーナー投手(ジャイアンツ)、20年コリー・シーガー遊撃手(ドジャース)、22年ジェレミー・ペーニャ遊撃手(アストロズ)の9人です。

こうして見ると、ナ・リーグが8人に対し、ア・リーグは1人だけ。ドジャースからは88年のハーシュハイザー、20年のシーガー(現レンジャーズ)と、2人選ばれています。つまり、直近2度チームが世界一に輝いた時は、いずれも1人の選手がダブル受賞したことになります。

また、過去9人中1人だけレギュラーシーズン、プレーオフ、そしてワールドシリーズと、すべてMVPに輝いた選手がいます。79年パイレーツを世界一に導き、チームのリーダー的存在から「ポップ(お父さん)」の愛称で親しまれた左の強打者スタージェルです。その年、史上初めてナ・リーグからMVPが2人誕生し、キース・ヘルナンデス(カージナルス)と同時受賞。さらにプレーオフ、ワールドシリーズと3つのMVPを独占。過去前例のない「トリプルMVP」となりました。

今年大谷はナ・リーグMVPが間違いないだけに、スタージェルに次いで史上2人目のトリプルMVPで悲願の世界一なるか、注目したいところです。【大リーグ研究家・福島良一】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)

9月20日、ロッキーズ戦の1回、マイアミで「50-50」を達成したドジャース大谷翔平は、ファンからスタンディングオベーションで祝福される(撮影・菅敏)
9月20日、ロッキーズ戦の1回、マイアミで「50-50」を達成したドジャース大谷翔平は、ファンからスタンディングオベーションで祝福される(撮影・菅敏)