MLBといえども時には凡ミスが出たりするものだが、現地10日、インディアンスが監督とコーチのミスコミュニケーションから手痛い逆転負けを喫するという珍事が起こった。

 この日インディアンスはホームでレッズとの一戦を行っていた。9回表、インディアンスは4対0とリードして守備についた。しかしこの回から登板したクローザーのコディ・アレンが不調で、死球の後、安打を打たれ、その後2死を奪ったものの、またも安打され失点。さらに9番のアダム・デュバルに二塁打されて2者がかえり4対3と1点差にされてしまった。その後2者に四球を与え、2死満塁となる。レッズの次の打順は3番の強打者ジョーイ・ボットだった。

 ここでインディアンスのテリー・フランコナ監督はたまらず投手交代を告げた。そのためブルペンからダン・オテロ投手がマウンドに上がったのだが、それを見たフランコナ監督は「OTがゲートを通ってくるのを見たとき、自分が期待していた男ではない」と思ったのだという。

 試合後の説明によると、フランコナ監督はブルペンに電話し、次のリリーフ投手のウォームアップを始めるよう指示したのだが、フランコナ監督はオリバー・ペレス投手を意味する「OP」と言ったのを、ブルペンのカール・ウィリス投手コーチはオテロのニックネーム「OT」と勘違いしてしまったのだ。

 実際、右腕のオテロがマウンドに上がったことに皆が困惑することになった。ボットは右腕に対して打率が3割超なのに対し、左腕には2割ほどと左投手を苦手としていることは知られていたからだ。

 こうしてオテロとの対決となったボットは走者一掃の逆転二塁打を放ち、レッズは7対3としたのである。試合はそのまま終了することとなった。

 インディアンスは今シーズン好調で、11日時点で2位ツインズに8ゲーム差をつけア・リーグ中地区首位を独走している。とはいえ、選手のニックネームについてコーチ陣は再検討したほうがいいかもしれない。