日米を通じて自己ワーストの10失点で9敗目(6勝)を喫したレンジャーズ・ダルビッシュ有投手(30)は「トレードの話(ウワサ)があったから」と、ジョーク交じりに振り返った。

 4回途中、自己ワーストの10失点と打ち込まれたダルビッシュは、試合後、苦笑しながら投球を振り返った。7月31日のトレード期限が近づくにつれ、自らの名前が市場に挙がるなど、騒々しい中での7月最終登板。「トレードの話があったからこうなってしまった、と変に理由をつけて、なかったことにします。10点取られることなんて、なかなかないじゃないですか。何か理由つけないと。切り替えってなかなか難しい。今日の場合は、そうした方がいいんじゃないかと自分では思ってます」。悪びれることなく、ジョーク交じりにKO劇を受け止めた。

 初回、2本のソロ本塁打でリードを許したものの、2、3回は無失点。ペースをつかんだかと思われた。ところが4回表、ガタガタと崩れた。無死一、三塁からイチローに右中間へ適時二塁打を浴びた時点で、流れは敵陣へ傾いた。「試合に入ったら楽しんでいる余裕はない。甘い真ん中のスライダーでしたが、ちゃんと1球で仕留められたというのはあります」。適時打4本はいずれも2ストライク後。速球が走らず、仕留めにいって痛打される悪循環に陥った。

 依然、移籍のウワサは消えていない。この日は乱調だったが、ダルビッシュへの評価は変わらない。その一方、借金「3」となったことで、レ軍が白旗を上げる可能性もある。ダルビッシュ自身「明日起きたら、また次への準備をしないと試合に投げられませんから」と、フラットな姿勢を崩していない。レ軍残留か、それとも移籍するのか-。残り数日で、ダルビッシュの今後が決まる。