大谷、剛腕に脱帽-。エンゼルス大谷翔平投手(23)が、11年サイ・ヤング賞右腕、アストロズのジャスティン・バーランダー投手(35)と初対戦。4打数無安打3三振と、格の違いを見せつけられた。

 アストロズ・バーランダーが、大谷から、史上33人目のメジャー通算2500三振を達成した。9回、先頭打者の大谷に対し、この日7個目の三振。5安打完封で節目の記録に到達し「僕がおじいちゃんになって死ぬ間際には『僕は2500三振をあいつからとったんだ』と言いたいね」と、満面の笑みで振り返った。

 7年連続の開幕投手、最多勝2度、サイ・ヤング賞1度。メジャーを代表する右腕も、大谷との初対戦は特別だった。試合前、ビデオ映像で今季の大谷の打席をチェック。気づいたことを紙に書き記すほどの入念な準備で臨んだ。「どれだけ才能のある選手かは分かっていた。初対戦の打者に対してそういうこと(ビデオ研究)をするのは今まであまりしてこなかったけどね」。それほど「打者大谷」の警戒度は高かった。

 マウンドでは、これぞ最高峰という投球を披露。「自分の強みを生かして投げていこう」と、この日最速98マイル(約158キロ)の直球を軸に、内角をぐいぐい攻めた。それでいて一辺倒にはいかない。「僕の直球を意識して、合わせてきているように感じた。そうなったら、遠目の球で勝負しようと思っていた」。緩急、高低左右。自在の投球で主導権を握り、大谷に自分のスイングをさせなかった。

 初対決に圧勝しても「特別な才能を持っている。ここまでベーブ・ルース以来のことをやり遂げている。みんな、敬意を払っているよ」と賛辞を惜しまない。「2500三振は、投手からとったんだ」とジョークも飛ばした。「二刀流大谷」を寄せ付けない3年ぶり完封は、サイヤング右腕を興奮させた。【斎藤庸裕】