二刀流がメジャーを動かした。大リーグ(MLB)とMLB選手会が合意した新ルールが14日(日本時間15日)発表された。試合時間の短縮を目的とした変更が多い中で、エンゼルス大谷翔平投手(24)の代名詞である「二刀流の定義」が含まれており、来季から適用となる。

これまで「Pitcher(投手)」「Position Player(野手)」の組み分けだった登録に、「Two-Way Player(二刀流)」が加わる。シーズンで投球20イニング以上、野手で20試合の先発出場(1試合3打席以上)を満たせば「二刀流」とされる。

大谷が風穴を空けた二刀流。エ軍のオースマス監督が「投手枠の面で大きい」と話したように、ベンチ入りメンバーの構成面でメリットがある。通常、投手は13人ベンチ入りするが、二刀流選手がいれば、野手としてベンチ入りさせながら、投手としても起用できる。つまり実質、投手は14人に増え、アドバンテージが生まれる。

ただし、この用兵を活用するには、20年からはまず「投手」で選手登録する必要が出てくる。

新ルールでは、野手は6点差のついた試合か、延長戦以外では登板が不可能となる。つまり、野手で登録した場合、前記の条件下で20イニング以上、投げ続けて二刀流登録の条件をクリアするのはハードルが高い。二刀流選手に登録する場合、現実的にはまず投手として登録し、野手として20試合の先発出場をクリアしていく流れになりそうだ。

来季以降に二刀流復帰が見込まれる大谷も、まずは投手として登録され、その後、正式に「二刀流選手」となる流れとなりそうだ。オースマス監督は「野球少年達も大谷を見てマネをして、大学、プロレベルまで二刀流をやっていくことになるだろう」と予想した。(テンピ=斎藤庸裕)