【アナハイム(米カリフォルニア州)11日(日本時間12日)=四竈衛、斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(24)が、再び日本人対決を制した。ドジャース戦に「3番DH」で出場し、1回の第1打席で前田健太投手(31)から右翼席へ7号ソロを放った。8日には岩手・花巻東高の先輩でマリナーズ菊池雄星投手(27)から本塁打。日本人2投手から1発を放ったのは、日本人ではイチロー以来2人目だ。4打数2安打で今季初盗塁も決め、チームの2連勝に貢献した。

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大谷は涼しげな表情でダイヤモンドを回った。1回2死、前田の6球目のスライダーを捉えた。「いったかどうかは分からなかったですけど、しっかり入ってくれて良かった」。2ストライクと追い込まれながら、甘く入ってきたボールを見逃さなかった。角度21度、ライナー性の打球で右翼スタンドへ放り込んだ。

昨年は直接対決で2打数無安打も、この日は2打数1安打でリベンジした。8日のマリナーズ戦では花巻東高の先輩菊池から1発を放ち、イチロー以来2人目となる日本人メジャー2投手からの本塁打。「やっぱりうれしいですね。前田さんはずっと球界でトップの選手で、そういう方とこっち(メジャー)でやるのは楽しみ」と声も弾んだ。

本塁打の打席、フルカウントからの決め球は左打者に有効なチェンジアップではなく、スライダーだった。「裏をかこうとしすぎた」と振り返った前田に対し、大谷は「(球種は)何も待っていなかった。2死でしたし、塁に出ることを考えて、四球でいいと思っていた」。今季既に7勝を挙げ、ド軍の先発ローテの柱で活躍する先輩右腕を惑わせた一方で、大谷はいつも通りの自然体。好球必打で結果につなげた。

これで6月は4発と、本塁打のペースも上がってきた。「(打球が)上がったら本塁打になってくれているのは、いいとは思う」と手応えを口にしつつ「二塁打は少ない。もう少し(状態が)上がる余地はある」と冷静に分析した。7回には右前打の後に今季初盗塁をマーク。2カード連続の日本人対決に完勝し、2年目の成長を見せつけた。

▼大谷が8日の菊池(マリナーズ)に続き前田からも本塁打。大リーグで日本人対決での本塁打は通算8度目。1人で2本打ったのはイチローが05年に石井、08年に小林から打って以来2人目になる。先制本塁打は勝利打点となり、今季初のVアーチ(大リーグ通算5度目)。日本人対決のVアーチは05年イチローが石井から記録して以来2度目になる。4日アスレチックス戦から最近8試合で4本塁打を放ち、3カード連続本塁打は大リーグ移籍後初めてだ。