ロッテから海外FA権を行使した沢村拓一投手(32)が、レッドソックスに入団することが16日(日本時間17日)、決まった。球団が正式に発表した。契約は2年で、3年目となる23年は球団、選手の双方が選択権を持つ。米メディア「ジ・アスレチック」のケン・ローゼンタール記者は15日(同16日)に出来高などを全て含めれば、最大で3年765万ドル(約8億300万円)になると伝えた。

沢村が最優先したのは、異国の地でのチャレンジだった。球界関係者によれば、宣言残留を認めたロッテ側は昨季の年俸1億5400万円(推定)から増額し、複数年契約のオファーを用意。春季キャンプがスタートする中、期限を設けず、決断を待つ意向を示したロッテへの感謝の思いと恩義は強かったが、最終的には長年の夢だったメジャー移籍への思いを貫いた。

18日(同19日)からフロリダ州フォートマイヤーズで始まるレ軍の春季キャンプへの参加は遅れるが、就労ビザが発給され次第、チームに合流する。

大リーグ公式サイトは11日に、沢村がレ軍と合意間近であると伝え、守護神争いに加わる可能性に言及。同サイトのイアン・ブラウン記者は現状、クローザーは未定とした上で「沢村は、ボストンで重要な役割を担う日本人投手になるチャンスがある」と述べていた。

巨人では2年間、クローザーを務め、16年には最多セーブを獲得した。最速159キロの直球、150キロ台前半のスプリットはメジャーでもトップレベル。レ軍は昨季9セーブのバーンズが守護神筆頭候補で、ともに新加入のオッタビノ、アンドリースらが控えるが、昨季、30球団中ワースト4位の防御率5・79の救援陣の整備は今オフの課題だった。

同地区のヤンキースなどとともに伝統球団として知られ、かつては野茂英雄、上原浩治、西武松坂大輔らが在籍するなど、多くのファンから愛される名門で剛腕を振る。