【アナハイム(米カリフォルニア州)2日(日本時間3日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(26)が、今季初安打の1号2ランを放った。ホワイトソックス戦に「2番DH」で出場し、5打数1安打2打点。開幕戦は無安打で、この日も第4打席まで3打席連続三振を含むノーヒット。9打席目でようやく出た安打が本塁打となった。4日(同5日)には今季初登板を控えるが、マドン監督は登板前日となる3日(同4日)の打者出場を明言。メジャーで初の試みを解禁する。

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二刀流フル回転へ、豪快にのろしを上げた。大谷が今季初安打で右中間へアーチをかけた。9回、メジャー屈指のクローザー右腕ヘンドリックスと対戦。フルカウントからの6球目、97・3マイル(約157キロ)の外角直球を捉えた。開幕9打席目で初安打となる1号2ラン。マドン監督は「才能あふれる選手同士のマッチアップだった。翔平の自信も高まるだろう」と今後にさらなる期待を寄せた。

登板前日の打者解禁へ、勢いをつける一撃だ。4日に今季初登板を控えており、投手としての復活をかけるマウンドとなる。その前日、3日の打者出場について指揮官は「彼はプレーしたい、打ちたいと言っている」と明かし、起用について問われると「イエス」と明言。基本的に登板前日は休養日にあてており、スタメン出場となれば日本ハム時代を通じても初の試みとなる。オープン戦でも試さなかった起用法を、ぶっつけ本番で解禁する。

ホ軍との開幕4連戦は2試合で1勝1敗。大谷を登板前日に起用する3戦目以降で流れをつかむためにも、この日の1発は効果的だった。同監督は「ヘンドリックスに30球以上を投げさせたことは大きかった。我々は諦めなかった。チームとして、プレッシャーを与え続けた」とうなずいた。9回2死からの大谷のアーチは、同投手の25球目。最終的に敗れはしたが、34球を投げさせた。これが影響を与えると、策士マドンは踏んでいる。

大谷自身にとっても、貴重な打席だった。第2~4打席は3打席連続三振。外角や内角高めの速球で攻められ、低めの変化球で崩される昨年のパターンにはまった。だが、最終打席でようやく、持ち味の好球必打で甘い速球を仕留めた。オープン戦では打率5割4分8厘、5本塁打、8打点と絶好調だった。登板前日の打者出場を解禁し、初登板を迎え、翌日も打者出場する見込み。投打のフル稼働へ、弾みをつける128メートル弾となった。

◆大谷の先発登板前日 日米を通じ、先発登板の前日に打席に入ったのは16年9月27日西武戦(西武プリンスドーム)の1打席だけ。3点を追う7回表、8番大野の代打で出場し、岸から左中間へ二塁打を放った。試合前にはブルペンで28球を投げ、登板前日の準備を進めながら打者としても集中していた。この試合は日本ハムが優勝マジック1で迎えており、強行起用した栗山監督は「(優勝を)決めにいっている。本人にも出たい気持ちがある」。マジック1の状況で特例に踏み切ったことを強調した。

▼大谷が今季初本塁打。大谷がチーム2試合目までに本塁打を打ったのは日米通じて初めて。日本ハム時代の16年に出場2試合目(野手としては1試合目)で打ったことがあるが、この時はチーム4試合目だった。なお、これで大リーグ通算48号。日本人選手の通算本塁打上位は(1)松井秀喜175本、(2)イチロー117本、(3)城島健司、大谷翔平48本で、城島に並ぶ3位タイとなった。