タイガースの5番手として、2点リードの延長10回にマウンドに上がったマイケル・フルマー投手は、この日の第3打席でプロ最多となる23号ホームランを放っていたエンゼルス大谷翔平選手を四球で出塁させたが、A・J・ヒンチ監督はこの判断にまったく不満はなかったようだ。

大谷はエンゼルスが1-3の2点ビハインドで迎えた5回、先発右腕ケーシー・マイズ投手の約136キロの低めスライダーを捉え、中堅フェンス越えに運び同点2ラン。今季メジャー本塁打争いトップに並ぶ23号本塁打を放った。

その後、試合は延長戦にもつれ込み、タイガースが10回表で2点を追加。その裏の2死二塁の場面で大谷が最終打席を迎えた。しかし、フルマーは申告敬遠こそしなかったものの、まともなボールは1球も投げず。ストレートの四球で大谷は出塁し、続くテイラー・ウォード左翼手は三振に倒れて、試合終了となった。

タイガースのヒンチ監督は、このフルマーの判断について「危険な打席だった。なぜなら、大谷の頭にあるのは(本塁打)ただ一つ。マイケルは絶対にミスをできない状況だった」と、異論はない様子だった。

また、大谷に同点2ランを許したマイズは、「見れば分かると思うが、あの球はそれほど悪くはなかった。ゾーン低めだったしね。だが、きっと彼はそれ(スライダー)に狙いを定めていたんだろう。もし下に外れていれば、あの打席は違う形で終わっていたかもしれないが、ストライクゾーンにいってしまったし、彼はものすごくパワーがある」と振り返っていた。(AP)