第1シードのエンゼルス大谷翔平投手(27)は、今季11本塁打のフアン・ソト外野手(22=ナショナルズ)に再延長戦で敗れ、第1ラウンドで姿を消した。

直前インタビューでは、穏やかな表情で「すごくワクワクしています。楽しんで、素晴らしいバッターたちのバッティングを見ながらできたらいいなと思います」。最後に紹介のコールを受け、一番の大歓声に迎えられ登場。壇上の中央で記念撮影に収まった。

ライバルたちが第1ラウンドに臨む間も、ベンチ裏で入念に打ち込み。モニターでチェックする表情が徐々に引き締まった。

先攻のソトは、左腕の打撃投手を相手に臨んだ。ホームランダービー最長飛距離をさらに更新する、520フィート(約158・5メートル)の1発を放ち、ボーナスタイムをゲット。22本と重圧をかけた。

大谷は打席に入る直前、スマートフォンを手に談笑。ブラウン・ブルペン捕手が捕手役の水原通訳に数球、試投し、リラックスして打席に入った。

1月に死去したハンク・アーロン氏の背番号「44」をまといスタート。打球速度は十分だが角度がつかず、柵越え5本、残り1分20秒となってマリナーズ菊池から力水をもらい、笑顔で「疲れた~!」と言いながら仕切り直した。

後半戦も打球にドライブがかかり、本来の大きな軌道を出せず。終盤に量産し16本で1分間のボーナスタイムに入った。残り1秒で22本と追い付き、1分間の延長戦に持ち込んだ。

ソトは6本を追加し28本。大谷も譲らず28本で、3スイングの再延長戦に入った。

大谷に少し疲れが見え、両手を膝につく場面も。先攻ソトは初球を右中間席へ。2スイング目も右中間席上段、最後はバックスクリーンに放り込んで31本とした。

大谷の初球は、強いゴロ。この瞬間、ソトの勝利が決まった。

大谷は13日の試合で「1番指名打者兼先発」で出場する。「疲れましたね。最後の30秒が特に疲れました。最後まで引き続き楽しみたい。(トラウトからの電話は)『見てるからね』って。いい経験になっています。明日は明日で、また試合。頑張りたいなと思います。これから休んで、備えたい。(敗退も)雰囲気だけでも楽しんでもらえたらな、と思います」と話した。