マリナーズからフリーエージェントとなっていた菊池雄星投手(30)がブルージェイズと合意したことを12日(日本時間13日)、複数のメディアが報じた。3年契約で総額3600万ドル(約41億4000万円)。

昨季は初めてオールスターに出場するなど、知名度を高めた。渡米後、自己最多となる7勝を挙げた。だが、後半戦に調子を落としたこともあり、大型契約が約束されたマ軍を退団し、FAとなることは米国内で意外と受け止められていた。

昨年11月、代理人のスコット・ボラス氏とともに、あえて新天地を求めた。3年目が終了した昨季、オプションを行使すれば、1年1300万ドル(約15億円)でマ軍に残留することが可能だった。逆に、マ軍がオプションを行使すれば総額6600万ドル(約75億9000万円)の4年契約となっていた。両者がこれを破棄したため、フリーエージェントになった。

全球団が業務を停止するロックアウトが昨年12月2日に始まり、移籍交渉が99日間もストップした。メッツ、ヤンキース、ツインズなどが調査しているとの報道もあったが、移籍市場は3月10日にロックアウトが終了してから本格的に動きだした。移籍から準備期間が短く、慌ただしい中で新天地に慣れる必要がある。開幕は4月7日(同8日)。急ピッチで調整しながら、新たな仕事場に向かう。

◆菊池雄星(きくち・ゆうせい)1991年(平3)6月17日、岩手県盛岡市生まれ。花巻東では甲子園に3度出場。3年春は準優勝、同年夏は4強。3年夏には最速155キロを計測した。09年ドラフトでは6球団競合の末、西武入団。日本通算73勝46敗1セーブ、防御率2・77。ポスティングシステムを利用して19年にマリナーズに加入。3年目の21年は29試合で7勝9敗、防御率4・41。メジャー通算成績は70試合で15勝24敗、防御率4・97。妻はフリーアナウンサーの深津瑠美。