【テンピ(米アリゾナ州)17日(日本時間18日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(27)が、打者として今キャンプ初のライブBP(実戦形式の打撃練習)に臨んだ。メッツから新加入の最速164キロ右腕ノア・シンダーガード投手(29)と、A・J・ラモス投手の2人と対戦。先発ローテの一角として期待されるシンダーガードからは3打席で快音が聞かれなかったが、その結果の裏にあるシーズンへ向けた“希望”に「潜入」した。

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ド迫力のパワー勝負だった。193センチ、102キロの大谷が、198センチ、109キロで筋骨隆々のシンダーガードと対決。3打席目、剛速球をフルスイングで捉えた…かに見えたが、中堅へのライナーは失速。大谷は「あーっ」と声を上げて悔しがり、手がしびれたようなしぐさを見せた。

1、2打席目の左飛、二ゴロと合わせ3打数無安打に抑え込まれたが、この結果の裏には、大谷にとっても明るい希望が詰まっている。開幕投手の筆頭とされる大谷と“両輪”として期待されるのが、メッツから移籍のシンダーガード。右肘のトミー・ジョン手術から昨年9月に復帰したばかりで未知数だったが、“大谷封じ”は全快をアピールするに十分な内容だった。

エンゼルスは昨季、チーム防御率4・69でリーグ12位、救援の防御率4・59も同14位。投手陣の整備がここ数年の課題だった。しかし今オフはシンダーガードに加え、昨年11月には昨季メッツで65試合に登板し、防御率0・95の左腕ループが加入。さらに米メディアはこの日、かつてダイヤモンドバックスで守護神を務めた右腕ブラッドリーと、中継ぎで実績のあるテペラとも合意したと伝えた。昨季34セーブを挙げた守護神イグレシアスも健在で、投手陣は一気に厚みが増した。

メジャー4年間でプレーオフ進出の経験がない大谷は昨季途中、優勝争いが厳しくなり若手起用へとチームがかじを切ったタイミングで「モチベーションを高く維持していくのはチームとしても個人としても、なかなか難しい部分はある」と本音を吐露した。タイトルを争った本塁打数が終盤に失速したのも、チームの順位が影響していることは否定出来ない。悲願のプレーオフへ進出-。キャンプ2日目に「まずは全員、健康でフルシーズン戦うこと。それができれば、ポストシーズンが見えてくる」と答えた大谷は、この日の打席で、鍵となる投手力のレベルアップを感じ取ったに違いない。

◆エンゼルスの今季の先発陣 大谷とシンダーガードの他に、レッズから新加入の二刀流選手ロレンゼン、若手のサンドバルとスアレスの両左腕が続く。4年目の右腕キャニングは故障で開幕絶望。2年目の左腕デトマース、5年目の右腕バリアらを加え、先発6人でローテーションを回していく方針だ。

◆ノア・シンダーガード 1992年8月29日、米国テキサス州マンスフィールド生まれ。レガシー高から10年ドラフト1巡目(全体38位)でブルージェイズ入団。13年メッツ移籍。15年にデビューし、16年に自己最多14勝。20年3月にトミー・ジョン手術を受け、21年9月にメジャー復帰。同年オフにエンゼルス移籍。打撃も好んでおり、16年にはツインズ前田(当時ドジャース)から1試合2本塁打を記録している。メジャー通算47勝31敗、防御率3・32。198センチ、109キロ。右投げ左打ち。