試合前、ワールドチャンピオン20周年の記念セレモニーが行われた。1試合10打点の記録を持つギャレット・アンダーソン氏(49)や元監督のマイク・ソーシア氏(63)ら当時のメンバーが招待され、大型スクリーンには02年ポストシーズンの戦いを振り返る映像も流れた。ブルペンで準備をしていた大谷は途中、映像を見る場面もあった。

試合開始予定の6時49分に合わせて準備を終えた大谷だったが、セレモニーが終わらず、室内の打撃ケージ内でキャッチボールを続けた。「こういうこともあるので、いい経験になったかなと思います」。さらに、マウンドに上がって投球練習を終えても試合が始まらない。なぜか右翼線のラインが引き直され、運搬作業のために開いていた右翼フェンスもなかなか閉まらなかった。結局、試合は12分遅れで始まった。

ルーティンのリズムを乱された影響か、大谷は1回の先頭から連打でピンチを招いた。「初回に失点しなかったのがやっぱり一番かなと。そこで失点してしまうと攻撃面でも良くない流れになってしまうので、粘れたのが良かった」。攻撃では主力のトラウト、ウォルシュを休養日で欠く打線で、守護神イグレシアスも前日からの連投ができない状態だった。過酷(?)な条件の中、工夫をこらし、粘り腰で6勝目をつかんだ。