史上4人目の大記録に到達した。カージナルスのアルバート・プホルス内野手(42)が23日(日本時間24日)、ドジャース戦の3回に通算699号、4回には2打席連発で700号本塁打を放った。MLBでボンズ、アーロン、ルースに次ぐ4人目の大台到達。今季限りで引退を公言しているが、有終の美を飾った。

昨季まで所属した古巣ドジャースタジアムが興奮のるつぼと化した。先制2ランとなった今季20号で、3回に王手をかけてから1イニング後。4回2死一、二塁、カウント1-1からビックフォードの内角低めスライダーを捉えた。

飛距離119メートルの打球が、700号となった。両手を上げてホームインすると、バックネット裏にいた1歳違いの同郷ベルトレ氏とハイタッチ。3000安打達成者同士で喜ぶと、同じく引退する捕手モリーナ、若いころからの盟友ウェインライトと抱き合った。「なんて特別な夜なんだ。でも本当に感動するのはシーズンが終わり、引退して1、2日たって、数字を見た時だろう」。常にチームの勝利を最優先する求道者らしく語った。

01年にデビューし、37本塁打でナ・リーグ新人王に輝いた。同年ア・リーグではイチロー(マリナーズ)が新人王だった。12年連続で30本以上をマークし、3度のMVP。ステロイド疑惑と無縁のクリーンヒーローが、エンゼルス時代から10年を過ごしたロサンゼルスで伝説となった。

◆アルバート・プホルス 1980年1月16日、ドミニカ共和国生まれ。16歳で米国に移住し、高校と短大は米国。99年ドラフト13巡目でカージナルス入団。12年エンゼルス、21年途中にドジャース移籍。今季からカ軍に復帰。05、08、09年MVP。03年首位打者。09、10年本塁打王。10年打点王。球宴選出11回。190センチ、106キロ。右投げ右打ち。

 

○…左翼席でプホルスの700号ボールを捕球したのは、ド軍のユニホームを模した、背番号16の野茂英雄の青Tシャツを着ている男性だった。黒いグラブを懸命に差し出し、争奪戦を制した。試合後は10人の警備員に囲まれて、SUV車で球場を後にした。プホルスは「記念品はファンのものだ。彼らが持ちたがるなら、何の問題もない。ファンがここに来るのは、歴史の特別な瞬間を味わうためだから」と話した。