【ミネアポリス(米ミネソタ州)25日(日本時間26日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(28)が、進化を示す広角打法で自己最長タイの11試合連続安打をマークし、チームの勝利に貢献した。

ツインズ戦に「3番DH」で出場し、5打数2安打1打点。1回の第1打席で中前打を放つと、9回の第5打席は流し打ちで左前に運び、貴重な追加点を奪った。これで今季93打点目。2年連続のシーズン100打点が着々と近づいてきた。

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好球必打と広角打法の合わせ技で、大谷がヒットゾーンに打球を飛ばした。2点差に詰め寄られた直後の9回無死二塁で、右腕メギルの決め球を捉えた。内角低め、98・9マイル(約159キロ)の直球を流し打ち。ボールゾーンに外れた速球に対応し、華麗に左前にはじき返した。今季93打点目で2年連続のシーズン100打点まであと7とし、ネビン監督代行は終盤での追加点に「大きい打点。非常にいい打席が続いている」と目を細めた。

好調の状態が続くのは、基本の好球必打を心がけているからこそでもある。1回1死二塁の第1打席、9打数無安打と抑え込まれていた右腕バンディと対戦。カウント2-2からの6球目、甘く入ってきた直球を逃さず、中前に運んだ。昨年、エ軍で開幕投手を務めた元同僚の出ばなをくじき、トミー・ジョン手術の影響で打者に専念した19年に並ぶ11試合連続安打をマーク。打率も今季最高の2割7分1厘をキープした。

11日のアストロズ戦以来13試合、本塁打は出ていない。それでも、確実性の高い打撃の継続が進化を物語る。蓄積疲労で体にも負担が増えるシーズン終盤で11試合連続安打。期間中の打率は3割2分6厘と、ハイアベレージを維持している。今季のマルチ安打38度もチームトップ。今月中旬に「全体的なバランスとかクオリティーも含めると、今年の方がいいシーズン」と話していた通り、好不調の波が小さく、打席での安定感が増している状態だ。

残り9試合、27日(日本時間28日)から本拠地ではシーズン最後の6連戦。29日(同30日)のアスレチックス戦では、中5日で先発マウンドに上がる見込みだ。二刀流でメジャー5年目のシーズンは、最終コーナーにさしかかった。