ヤンキースからフリーエージェント(FA)となったアーロン・ジャッジ外野手を巡り、メッツとヤンキース間に“不適切”なやりとりがあったのではないかとの指摘を受け、MLB(米大リーグ機構)が調査へ乗り出したことが分かった。米メディア「ジ・アスレチック」が伝えている。

発端は、ニューヨークのスポーツ専門テレビ局SNYが3日に掲載した記事。このなかで、メッツは4月の段階からジャッジを獲得する意向はなく、それは今オフになっても変わらないと指摘。メッツの関係筋の話として「同球団は今オフ、ジャッジ獲得を目指してヤンキースに対抗する計画はない」と伝えたほか、メッツのオーナーであるスティーブ・コーエン氏とヤンキースのオーナーであるハル・スタインブレナー氏が「互いに尊重し合う間柄で、注目を引くような獲得合戦によってその関係を一変させることは考えていない」とつづっていた。

この記事を問題視したのがMLBPA(大リーグ選手会)。情報筋によると、MLBPAは両者間に不適切なやりとりがあったのかどうか、MLBに調査を要請したという。MLBと選手会が結んでいる包括的労働協約(CBA)は、選手の契約に関して他球団と情報を共有することを禁じている。MLBは今後、メッツとヤンキースの両オーナーに対し、当該期間中にかわされた電話やメールなどのやりとりの記録を提出するよう求めると思われる。

なお、MLBのコミッショナーであるロブ・マンフレッド氏は17日、オーナー会議の場でこの問題を取り上げ「クラブ側はCBAに沿って行動しているものと固く信じている。今回の件は、新聞報道に基づくものだ。われわれはMLBPAに対し、問題はなかったと信頼できる形で示せるようにするつもりだ」と述べた。