オリックスからポスティング制度で、レッドソックスと契約合意した吉田正尚外野手(29)に「超人軍団」からエールが届いた。

10日、山口市内で行われた野球教室に、かつて自主トレをともにした元阪神の糸井嘉男氏(41)、ソフトバンク柳田悠岐外野手(34)らと参加。“師匠”たちも、吉田正の挑戦に期待を膨らませた。

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吉田正の移籍が電撃決定したことに「超人」たちも驚きを隠せなかった。自主トレの師匠だった糸井氏は、5年総額9000万ドル(約126億円)の契約内容に触れ「えぐいでしょ。ヤフーニュース10回くらい見返しましたけどね。えぇっ!? って」と臨場感たっぷりに語った。同じパ・リーグのライバル球団の主軸としてしのぎを削り合ったソフトバンク柳田も「契約がえぐい」と声をそろえた。

糸井氏と柳田は、かつて米大リーグ挑戦を目指していた。ともに国内でのプレー続行を選び、夢はかなわなかった。そんな背景もあるのか、海を渡る後輩に託す思いは熱っぽかった。糸井氏は「正尚の挑戦はみんなも注目している。覚悟を持っていくと思うので応援したいし、僕もボストンに行きたいと思います」と、現地での応援を予告。「ここ最近、日本人野手が苦労しているところがあると思うので、あいつのパーフェクトなスイングをアメリカでも見せつけてほしい。すごい成績を残してほしい」と期待を寄せた。

吉田正の打撃技術を認める柳田は「大変な世界だと思うので、ケガなく健康でグラウンドに立ち続けてほしい」とエール。「オリックスが優勝して、正尚の力は本当に大きかったですし、来年は僕らが優勝したいですね」と、ライバルが去るパ・リーグにも思いをはせた。吉田正の挑戦には「超人」たちの期待と夢も詰まっている。【山本大地】

○…ソフトバンク左腕の嘉弥真はオリックス吉田正のメジャー移籍に複雑な心境だった。柳田らと野球教室に参加。左キラーとして主にピンチの場面で対戦し、通算23打数7安打、被打率3割4厘と苦戦してきた。「いいバッターがいなくなるのはうれしいことでもあります」と笑いつつ、「対戦できなくなるのは寂しい。でも彼には夢があるので挑戦して頑張ってほしい」と背中を押した。