規格外の超太っ腹なプレゼントだ。エンゼルス大谷翔平投手(29)が日本全国の小学校、約2万校に3個ずつ、合計6万個のジュニア用グラブを寄贈すると8日、契約するニューバランスとともに自身のSNSで発表した。米老舗人気雑誌「ピープル」で「スポーツ界で最もセクシーな男トップ21」でランクイン。FAで大人たちから注目を集めているスターは、野球界の裾野を広げるため、子供たちに夢のようなプレゼントを贈る。

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WBCで日本中の小学生を熱狂させ、日本人初のメジャー本塁打王に輝いた大谷が、さらなる野球伝道師となる。大谷モデルのデザインとなる軟式用グラブが、日本全国に最多で約6万個も配られる。教育委員会などを通じて応募があった全小学校(特別支援学校等を含む)に、右利き用2個、左利き用1個の小学校低学年用サイズを贈る。

大谷は「野球しようぜ!」と直筆で呼びかけ「私はこのグローブが、私たちの次の世代に夢を与え、勇気づけるためのシンボルとなることを望んでいます。それは、野球こそが、私が充実した人生を送る機会を与えてくれたスポーツだからです。グローブを寄贈することで、子どもたちが野球というスポーツに触れ、興味を持つきっかけになってほしいと願っています」とコメントした。

製造にかかる費用などは非公表だが、通常、ジュニアサイズの軟式用グラブは1万円前後で売られている。単純計算でも約6億円はかかるとみられる。今季年俸が3000万ドル(約45億円)でFAとなる来季以降は史上最高の5億ドル(約750億円)の契約額が予想される大谷とはいえ、規格外の大盤振る舞い。ニューバランスジャパン社は「大谷さんから話を持ちかけられ、熱意をくんで取り話し合った。大谷さんからの寄贈となります」と明かした。12月ごろから配布を開始し、来年3月ごろまでに発送を終える予定だ。

大谷はこの日、米雑誌「ピープル」で「スポーツ界で最もセクシーな男トップ21」に選ばれた。MLBからはベッツ(ドジャース)ベリンジャー(カブスFA)の3人。「投打でショータイムという華やかなニックネームを得るだけの活躍をした」と評された。大人からも子供からも愛される男は、オフも日本中に届く大ホームランを放った。【斎藤直樹】

◇球界の主なギフト

◆松坂大輔(西武)入団1年目の99年、母校の横浜に前年の3冠達成記念に中型バスを寄贈。

◆松井秀喜(巨人)01年に都内61の特別支援学校などの福祉施設に、ティーボールの用具一式を寄贈。「野球ファンを増やすにはやっぱり子供だと思う」と前年オフに受賞した各表彰での賞金の一部を還元。

◆和田毅(ダイエー)1年目の03年、母校の早大に大型テレビを贈呈。合宿所のテレビは地上波とBS放送しか入らず、「僕のユニホーム姿も見て欲しい」とCS放送も契約。

◆新庄剛志(日本ハム) 05年に母校の西日本短大付へマイクロバス1台を贈った。前年夏の甲子園に出場した際に約束したもの。新庄がデザインし、バットを高々と掲げるシルエットが塗装されるなどの豪華版で推定700万円。

◆石川雅規(ヤクルト)10年春のセンバツに母校の秋田商の出場が決まり、ジャージーとトレーニングシューズを寄贈。学校関係者だけでなく、外部トレーナーにも用意。