【ロサンゼルス(米カリフォルニア州)28日(日本時間29日)=四竈衛】ドジャースのMVPトリオで、大谷の前後を固める1番のムーキー・ベッツ内野手(31)と3番のフレディ・フリーマン内野手(34)が、今季初のアベック弾で米国開幕戦を盛り上げた。

3回、まずは先頭のベッツが内角ツーシームを左翼席へ運んだ。続く大谷が四球で歩いた直後。フリーマンが甘く入ったカーブを、中堅席右へたたき込んだ。試合後の大谷が、「僕だけホームランは打てなかったけど…」と、うらやむ? ようなそろい踏みだった。

間違いなく、3人が並ぶ相乗効果だった。相手投手にすれば、先頭ベッツを出塁させないためにも、ストライクを先行させたい。その投手心理をベッツは読み切り、初球を振り抜いた。「我々は、ただ試合を楽しみながら自分の仕事をしている感じ。誰も金曜の映画ショー以上のことは期待していないさ」。元来、積極的なスタイルに、より果敢な攻撃性が加わった。

大谷四球後のフリーマンも、カウントを取りに来た初球を完璧なタイミングでジャストミートした。「まだ3試合だけど、いいスタートが切れたね。上位の3人だけじゃなくて9人の打線。9人がいい役割を果たすからだよ」。

大谷を含む3人が計12打席で9回出塁し、5安打6得点。打順を決めるロバーツ監督も、笑いが止まらなかった。「ムーキーが塁に出て、次にショウヘイがいれば(相手)投手にはストレスになる。しかも、5打席は回る。この2人の後にフリーマンのような選手がいるわけで、それは正しく見えるよ」。狙いは初球ストライク。メジャー最強の上位打線「ムータニマン」が、豪快なスタートを飾った。