ドジャース大谷翔平投手(30)が、25年シーズン1号を放った。カブスとの開幕シリーズ第2戦に「1番DH」で出場し、3打数1安打。第3打席で右中間へのソロ本塁打をマークした。プレシーズンゲームの巨人戦を含め、2本目の母国凱旋(がいせん)アーチ。チーム2試合目、自身8打席目でのシーズン1号となった。メジャー初勝利はならなかったものの、デビュー戦に臨んだ佐々木朗希投手(23)を援護。2安打2得点と活躍した前日に続き、チームの2連勝に貢献した。
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静寂の中ですさまじい音を響かせた大谷の打球が、右中間へ高々と上がった。5回1死、2番手の右腕ピアソンの99・1マイル(約159・5キロ)直球を捉えた。ノーステップから右足を強く踏み込み、強靱(きょうじん)な下半身をフルに使った渾身(こんしん)の一振り。「入るかなと思ったんですけど、少し微妙な感じになってしまった。でも打ててうれしいなと思います」。ギリギリでスタンドインし、東京での記念すべきシーズン1号を喜んだ。
昨年は開幕から自己ワーストの40打席ノーアーチで苦しんだが、今季はチーム2試合目、自身8打席目で本塁打をマーク。「本当に勝ててうれしいですし、なんとか1本出てホッとしてます」。もっとも、スタジアムはしばらく騒然としていた。打球がファンの手に当たってフィールドへ落下。カ軍側からビデオ判定を要請されたが、判定は変わらなかった。大谷はベンチで両拳を突き上げ、満面の笑みで喜びを表現した。
勝つために、最善の準備を怠らない。シーズン中は室内での打撃練習のみで試合に臨み、今回の開幕シリーズも徹底した。23年のWBCで来日した際はファンサービスも込め、試合前の全体フリー打撃に参加。とんでもないパワーを披露した。だが、エンゼルス時代の23年9月4日、屋外フリー打撃中に右脇腹を痛めて以来、キャンプ以外ではフリー打撃を再び封印。試合で100%の出力を生む-。フェンス手前の左飛で凡退したが、この日の第1打席のように1球目からフルスイングできるのも、その意識のたまものといえる。
第4打席、7回2死二塁のチャンスでは申告敬遠され、満員4万2367人のファンから大ブーイングが起こった。さらに9回1死一、二塁の第5打席も再び四球で大きなため息がもれた。それでも、3本塁打で2連勝を飾ったチームに「メジャーリーグらしい、力強いホームランが出て、素晴らしい野球だったなと。見てて素晴らしかった」と、高い攻撃力をたたえた。
今季、掲げる目標はワールドシリーズ連覇。ヒーローインタビューでは「2連勝して、東京でいいスタートが切れた。今年素晴らしい年になるように、また優勝目指して頑張りたい」と高らかに宣言した。「本当にいい思い出になりましたし、またいつか、こういう風な形で試合ができたらうれしいなと思うので、また今年も応援よろしくお願いします」。何より、勝つことを見せたかった母国での特別な2連戦。これ以上ない、最高の形で締めくくった。【斎藤庸裕】
▼日本人大リーガーが東京ドームで本塁打を打ったのは、04年3月31日に松井秀喜(ヤンキース)がデビルレイズ戦で放って以来、21年ぶり2度目。大谷が本塁打を打った球場は自身の日本人最多記録を更新する31球場目となった。
○…開幕戦とは異なり、ドジャースが白基調のホーム、カブスがグレー基調のビジターのユニホームを着用した。関係者によると、両方のユニホームをファンに見せるための配慮だという。先発佐々木の左肩には、新人がデビュー戦でのみ付ける「MLB DEBUT」のパッチが施されている。



