【ニューヨーク15日(日本時間16日)=四竈衛、佐藤直子通信員】84回目を迎えるオールスター戦は16日(同17日)、メッツの本拠地シティフィールドで行われる。前日恒例のホームランダービーは、初出場したアスレチックスのヨエニス・セスペデス外野手(27)が初優勝。決勝では昨季ナ新人王ブライス・ハーパー(ナショナルズ)と対決。ハーパーが8本塁打を放ったが、セスペデスは5アウトを残したまま、中堅最深部に455フィート(約139メートル)の9本目をたたき込むと、バットを放り投げて喜んだ。

 最初から爆発した。本塁打以外のスイングはアウトとし、10アウトまでの本塁打数を競う同ダービーで「落ち着いてコンタクトすることだけを考えた」と1回戦から17本をスタンドにたたき込んだ。2回戦には6本を追加して余裕の決勝進出。オールスター戦には出場せず、強打を買われて同ダービーのみの参加。大きな勲章を手にした。

 11年にキューバから亡命し、昨季からメジャーで戦っている。家族6人に見守られながらの快挙に「メジャーという舞台で戦うことを認めてくれた家族に感謝したい。4歳の息子のために本塁打を打った。1回戦で5スイングしたあたりで今日はいけると思ったよ」と満面の笑みを見せた。

 ◆ヨエニス・セスペデス

 1985年10月18日生まれ。03年からキューバ国内リーグで強打の外野手として活躍。09年WBC同国代表。11年夏に亡命してドミニカ共和国で市民権獲得。12年3月にアスレチックスと4年3600万ドル(当時約28億8000万円)で契約。昨季は129試合出場で打率2割9分2厘、23本塁打、82打点。右投げ右打ち。178センチ、95キロ。