2015年プロ野球シーズンが3月27日に開幕します。今年はどんな選手がブレークしチームを引っ張るのか? 日刊スポーツのプロ野球担当記者が注目する選手を投手編、野手編、外国人選手編として紹介します。

 第4回はセ・リーグ野手編です。

 ▽巨人 阿部慎之助内野手(36)

 愛着のあった捕手に別れを告げ、今季からは一塁手へコンバート。守備ではショートバウンドなどの難しい球も簡単に捕球する安定感。昨年以上に期待される打撃面では、春季キャンプ終盤に右ふくらはぎ痛で、一時は離脱するなど調整は遅れたが、6日に実戦復帰し14日に1軍合流し安打を放ち復活している。“新生阿部”が4連覇に導く。【巨人担当 細江純平】

 ▽阪神 梅野隆太郎捕手(23)

 2年目捕手が球団創設80周年を迎えたチームの要を担いそうだ。最近10年の捕手を振り返ると、矢野、城島、藤井ら実績十分なベテランの名前がずらり並ぶ。そこに風穴をあける23歳の挑戦は虎党注目の的だ。昨季は1年間1軍に同行するも、日本シリーズではわずか1イニングの出場にとどまった。「点差が離れていても出られない状況が悔しかった」。課題はもちろんあるが、経験を補う勢いや、天性の長打力を持つ。プロの世界を知った上での変化に注目だ。【阪神担当 松本航】

 ▽広島 鈴木誠也外野手(20)

 走攻守すべてでスケールの大きい選手が魅力。昨季はCSにもスタメン出場するなど実力を確実に伸ばしてきた。入団3年目の今季は右翼手のレギュラーを狙う。緒方監督の構想では2年目の遊撃手田中とともに「どちらかが1番で、どちらかが6番」。快足、強肩だけでなく勝負強い打撃も兼ね備えている。緒方カープを象徴する鈴木誠が躍動すれば、チームは24年ぶりの優勝に大きく近づく。【広島担当 池本泰尚】

 ▽中日 高橋周平内野手(21)

 昨季は遊撃の定位置を期待されながらもオープン戦で打撃不振に陥り開幕2軍。1軍昇格は7月までずれ込んだ。谷繁兼任監督からの期待も大きく今春キャンプでは指揮官から何度もノックを受けた。打撃センスは抜群。将来のチームを背負う逸材と誰もが認める。今季から背負う「3番」は期待の表れだ。プロ4年目をブレークのシーズンにしたい。【中日担当 桝井聡】

 ▽DeNA 筒香嘉智外野手(23) 

 開幕前に中畑監督から「4番」起用を明言された若き主砲。プロ入り6年目を迎え、才能が開花させるときがきた。今季から主将にも就任し、中心選手としての活躍が期待される。2月の宜野湾キャンプで松井秀喜氏からアドバイスを受け「自分がやろうとしていることと同じだった。自信が持てた」と納得の表情。かつて、横浜を熱狂させた「マシンガン打線」復活へ向け、筒香が打線のど真ん中に座る。【DeNA担当 為田聡史】

 ▽ヤクルト 山田哲人内野手(22) 

 昨季、通算193本で日本人右打者の最多安打記録を樹立した。初の侍ジャパン入りも経験するなど大ブレーク。5年目となる今季は「200安打打ちたいし、3割30本30盗塁を狙いたい」と高い目標を掲げ、さらに「ゴールデングラブ賞も(広島)菊池さんに負けないように取りたい」。今春キャンプでは特守を何度もこなし、守備力アップ。攻守で存在感を示していく。【ヤクルト担当 栗田尚樹】