いよいよプロ野球の開幕も目前となりました。ペナントの行方を大きく左右する助っ人にスポットを当てました。

 最終回は、日刊スポーツのプロ野球担当記者が注目するセ・リーグ期待の外国人選手を紹介します。

 ▽巨人 アーロン・ポレダ投手(28=レンジャーズ) 

150キロ超える直球とスライダーを武器とし、先発を期待される。剛速球は「16文キック」から生まれている。足のサイズ34センチは、OBでもあるジャイアント馬場さんと同じ。「足が大きいから安定感が出るんだ」。でっかい土台があるからこそ、198センチ、109キロの巨体のパワーを、球にしっかり伝えられている。【巨人担当 細江純平】

 ▽阪神 マウロ・ゴメス内野手(30)

 2年目もやってくれるのか。周囲は少しの不安を抱きながら、ゴメスを見つめる。昨年はオープン戦14打数2安打6三振でシーズンイン。それがふたを開けると開幕から27試合連続出塁をマーク。セ・リーグ打点王を獲得し「調整遅れも問題なし?」の印象を植え付けた。今年もパスポート盗難での来日遅れに、左脇腹故障で本格的な実戦経験は3月15日から。「調整万全」とは言い難いが、果たして…。いずれにせよチームの命運は主砲が握っている。【阪神担当 松本航】

 ▽広島 ヘスス・グスマン内野手(30=アストロズ)

 球団史上初の契約金100万ドルで入団したスラッガー。球筋を見極め、一振りで仕留める打撃はこれまでの助っ人のイメージとは異なる。米国よりも内側に広いストライクゾーンに戸惑いを見せる場面もあったが、配球を読む能力でカバー。高級ヘッドホンで移動中は常に音楽を楽しむ一面もある。シュアな打撃で中軸を任されることが確実で、広島打線のカギを握る男と言っていいだろう。【広島担当 池本泰尚】

 ▽中日 ラウル・バルデス投手(37=ブルージェイズ3A)

 キューバ出身の技巧派左腕。持ち味はコントロール。メジャーでは103試合に登板。先発、中継ぎと経験は豊富だ。37歳の“ベテラン”ながら、今春キャンプでは若手投手にまじって黙々とランニングメニューをこなすなど、スタミナも証明。マジメな性格で首脳陣の評価も高い。オープン戦でも大崩れしない投球を披露。先発ローテの一角として期待される。【中日担当 桝井聡】

 ▽DeNA ホセ・ロペス内野手(31)

 巨人から移籍した頼りがいのある助っ人。キャンプ中の食事会で中畑監督に「巨人を倒すために全力を尽くす」と高らかに宣言した。5番での起用が濃厚で、ポイントゲッターとしての活躍が期待される。巧みなバットコントロールは巨人時代に実証済みで、守備もそつなくこなす万能型の外国人。リーグ2連覇の経験を若きDeNAナインに注入する。【DeNA担当 為田聡史】

 ▽ヤクルト ウラディミール・バレンティン外野手(30) 13年に60本塁打の日本記録を更新した助っ人。昨年10月に左アキレスけんの手術を受け、現在は2軍でリハビリ中。1軍合流は4月中旬になると見られる。真中監督も「まずは2軍の試合に出てから。焦っても仕方ない」と完治を優先させる方針だ。バレンティンは「100%の状態に戻して頑張りたい。目標は3冠王」と目標を掲げた。【ヤクルト担当 栗田尚樹】