地元東北で再出発のゴングを打ち鳴らした。楽天栗原健太内野手(34)が12日、イースタン・リーグDeNA戦(仙台市泉)に「5番DH」で先発出場。開幕直前に右ふくらはぎの肉離れで離脱したため、3月のオープン戦以来、約2カ月ぶりの実戦が移籍後初の公式戦出場となった。遊飛、遊直の2打席凡退で途中交代も「実戦で投手の球を見たのは2カ月ぶり。収穫がありました」と復帰を喜んだ。

 4回2死一塁の第2打席、DeNA久保康の外角直球を見逃した3球目に手応えをつかんだ。「1、2球目はタイミングが合わずに振り遅れ。でも3球目は自分の間で見送れた。あの形なんです。打席の中で修正する感覚をつかめた」。目先の結果を追うのではなく、自分の打撃を取り戻すことにこだわっている。「1軍クラスの投手を相手に、いい感覚がつかめたのが大きい。結果を出すことは当たり前ですが、自分の中でいけるという感触をつかんで上に行きたい」。快音は響かずとも声色は弾んだ。

 左胸部の肋(ろく)軟骨損傷で離脱していた哲朗も、1カ月ぶりの実戦復帰で6回には右前へ復帰後初安打を放った。2人について、梨田監督は「状態のいいところで1軍に来てほしい」と期待する。完全復活の時は近い。【松本岳志】