投打に進化した「女大谷」をお見せします! 女子プロ野球レイアがあさって3日に、トップ3球団選抜チームとのチャレンジマッチで今季開幕戦(仙台市民球場、午後6時30分開始)を迎える。入団2年目のエース右腕・古谷恵菜投手(20)は開幕に向け、新しい握りのスライダーを習得。自慢の直球に鋭く曲がる変化球を加え、投球の幅を広げた。また登板時以外では一塁を守り、本格的に二刀流にも挑戦する。

 女子プロ野球界で初の130キロ超えを狙う古谷が進化を遂げた。「去年よりは確実に球速が上がっている。今年中に120キロまで到達したい」。リーグ最長身の177センチから豪快に右上手で投げ込む直球は、現在118キロまで上昇。冬場、ほぼ毎日30分から40分間走り込んで下半身を鍛えた成果が出てきた。

 3月から1カ月間は、兵庫ディオーネの練習に参加した。そこでディオーネのエース里綾美(26)から、スライダーの握りを教わった。「今までのは曲がらなくて使えなかった。里さんのは自分が投げていた握りと違った」。収穫の出稽古を終え、投げ込みで新型スライダーをなじませていった。

 曲がりが浅かった変化が横に大きくなり、新たな決め球に昇格した。「指がかかるとキレもいいし、よく曲がる。秘密兵器です」と笑顔を見せる。今季から加入した元巨人の辻内崇伸コーチ(28)も「直球と同じ軌道から曲がるので打ちづらい。投球の幅が広がった」と絶賛。2人で相談して「SFS(スーパー古谷スライダー)」と名付けた。

 今季から登板時以外は一塁を守り、本格的に二刀流に挑戦し始めた。打順は7番前後を任されるが、「当たれば飛びますよ」と長打力が自慢だ。今季は新人投手3人が加入したが、エースの座は譲らない。「去年3点台だった防御率を今年は2点台に下げたい。目標はあくまで女大谷です!」。投打にパワフルな古谷から目が離せない。【高橋洋平】

 ◆古谷恵菜(ふるや・めぐな)1996年(平8)5月13日、埼玉・朝霞市生まれ。朝霞七小1年で軟式野球を始め、小3で硬式に転向。朝霞二中で富士見リトルシニアでプレーし、高校は福知山成美(京都)に野球留学。高3の夏に全国高校女子硬式野球選手権で優勝した。15年にレイア(当時東北レイア)に入団。177センチ。右投げ右打ち。家族は両親と兄3人。今季から背番号31。憧れの選手は日本ハム大谷。