来春キャンプは沖縄・国頭スタートとなる見込みの日本ハム中田翔内野手(27)が、「侍対決」を希望した。同じくワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の侍ジャパンに選出されている増井浩俊投手(32)、宮西尚生投手(31)も米アリゾナではなく国頭残留組の予定で、2人とシート打撃などで対戦することを求めた。主力相手にWBC球を打つ機会をつくり、実戦感覚を早めにつかむ狙いだ。

 本来は2軍キャンプであるはずの沖縄・国頭で、豪華な顔合わせが実現するかもしれない。米アリゾナキャンプには同行せず、国内に残ってWBCを目指す中田が、増井、宮西に“挑戦状”をたたきつけた。「機会があればシート(打撃)とか立ちたい。見といた方がいい」。同じく国内調整組の侍戦士2人に、練習内での対戦を希望した。

 世界一へ向けて、今オフの始動は早い。すでにバットは振り始めており、年明けには米ハワイで体を仕上げる。「早めに調整していければ」。体の状態を上げていく中で、どうしても不足するのが実戦勘。実際に投手のボールを打つ機会は貴重だ。また「ボールも違うし、打感も違う」。WBC球を使って調整する同じ侍組の2人に胸を借りれば、ボールへの対応もできて、まさに一石二鳥。中田にとっては有意義な時間になる。

 11月の強化試合では、すべて4番を任された。「4番はゴウ(筒香)。いまでも思う。与えられたところでやるだけ。でも小久保監督の意図は読めた部分もある」。打順へのこだわりは口にしないが、指揮官の期待は理解している。

 中田は、準決勝でプエルトリコに敗れた前回大会の悔しさを知るひとり。「大会に状態を合わせたい。チャンスに強い打者になりたい」。自身のバットで、日の丸をど真ん中にはためかせる。

 ◆日本ハムの17年春季キャンプ 1軍は2月1~10日まで米アリゾナ・ピオリアで実施。帰国後は沖縄・名護で13~25日まで。2軍は2月1~24日まで沖縄・国頭で行う。キャンプ休日、練習試合の日程、メンバーの振り分けは今後、発表される。