金本阪神の鍵を握る男が、17年の初打点を挙げた。11日、紅組の「4番一塁」で出場した原口文仁捕手(24)が初回に打った。右中間を破る二塁打は実戦初タイムリーとなる先制打だ。「1本出ましたが、今日の感じは良かった」。昨年発揮した勝負強さは今年も健在だ。

 捕手でもアピールした。試合途中からマスクをかぶると、4回には一塁走者高山の飛び出しを見逃さず、一塁けん制でタッチアウト。6回には素早い動きで、北條の盗塁を刺した。「刺せて、一段階クリアできたかな。これから普通にやっていける。もう少し捕ってからの早さの部分は練習していきたい」。不安のあった右肩もトレーナーと二人三脚で強化。捕手でレギュラー定着を誓い、その第1歩となる結果を残した。

 紅白戦の後には、特打で金本監督のマンツーマン指導を受けた。打ち終わった後もベンチでスマホを片手にアドバイスされた。取り組んでいる課題は指揮官と考えが一致しているという。「(体の)割れだったり、腰の回転の部分だったり…」。そんなポイントを意識しながら、フォーム固めに励んでいる。

 チームの中でも、長打の打てる数少ない右打者だ。金本監督は言う。「今でもそこそこ打つと思うよ。しぶといし。でも、ひと皮、ふた皮むけたら、長打も打てるし、率も上がる。チームに貴重な右バッターだから」。起用するのは、捕手か一塁か。いずれにせよ、打線の軸には欠かせない存在だ。【田口真一郎】