いざ出陣-。全日本大学野球選手権(神宮ほか)が5日から開幕する。東北勢は仙台6大学から東北福祉大(2年連続32度目)、北東北大学から富士大(岩手、5年連続12度目)、南東北大学から石巻専修大(宮城、8年ぶり4度目)の3校が出場する。全国で大活躍が必至の、リーグを代表する3選手にスポットライトを当てる。

 東北福祉大の「安打製造機」が躍動する。4番楠本泰史外野手(4年=花咲徳栄)は持ち前のバットコントロールで安打を打ち分け、12試合で41打数17安打、打率4割1分5厘で初の首位打者賞を獲得。ベストナインとMVPを合わせ3冠に輝き「自分の力だけでとれたものではない。チームメートに感謝」と謙虚に振り返った。

 今春から強肩を生かすため、遊撃手から中堅手に転向。開幕2戦で5安打を放ち波に乗った。途中調子を落とす試合もあったが「自分だけの結果を意識しすぎていた」とチーム打撃を再徹底し復調。5月29日の仙台大戦では決勝点となる先制打を放ちチームをもり立て、優勝につなげた。「4年生での優勝は思い入れが違う。去年よりうれしい。100点満点のうち、99点がチームの優勝」と笑顔を浮かべた。

 全27代表中、最後に全国への出場を決め、6日の初戦は四国学院大(四国地区大学)と対戦する。「全国で一番最後まで試合していたから、チームが勢いに乗っている。一戦必勝で戦って、日本一を狙う」。昨年は準々決勝で上武大(関甲新学生)に9回逆転サヨナラ負け。神宮に忘れ物をとりにいく。【高橋洋平】

 ◆楠本泰史(くすもと・たいし)1995年(平7)7月7日、大阪府生まれ、横浜市育ち。山内小4年から野球を始め、山内中では青葉緑東リトルシニアに所属。花咲徳栄では3年春にセンバツ出場。東北福祉大では1年春からレギュラー。180センチ、77キロ。右投げ左打ち。