ヤクルトが貧打で1分けを挟んで10連敗を喫した。12年5月以来5年ぶり、交流戦では12球団唯一となる2度目の2桁連敗。真中監督は「しょうがない。1日も早く止めたい」と絞り出した。交流戦11試合中、引き分け以外の10試合が2得点以下の貧打ぶり。この日の敗因も「(先発の)星よりも打線ですね。毎回1点ですか。何とかしないと」とうめいた。

 打開策を模索した。打撃力のある西田を今季初めて捕手で先発起用。真中監督は「雰囲気を変える意味合いがある。(正捕手)中村が悪いわけじゃないけど」と説明した。5回には西田が、犠飛でチーム唯一の得点をたたき出した。それでも9番打者の1点では足りない。杉村チーフ打撃コーチは「山田、レギュラークラスの雄平、坂口たちが打たないと点が入らない」と主力の奮起を期待した。

 主軸野手も期待は承知している。山田は「負けてる勝ってるにかかわらず、ずっと言われていること。プレッシャーもかかるけど、自覚を持ってやらないと」。内野安打1本の雄平は「力不足です。今はいないバレンティンたち頼りになっていた。残ったみんなでやっていくだけ。まずはミスをなくす」と言い聞かせるように話した。

 厳しい状況でも、ファミリー球団のヤクルトらしい前向きな姿勢は残る。三木ヘッドコーチは「ベンチはすごい元気がある。(9回に4点差を追いついた)西武戦みたい」と雰囲気を評した。反攻のきっかけをつかみたい。【斎藤直樹】

 ▼ヤクルトが5月30日オリックス戦から10連敗。ヤクルトの2桁連敗は12年5月17~30日の10連敗以来だが、前回も交流戦期間中。交流戦で2桁連敗2度はヤクルトが初めてで、交流戦の開幕10連敗は10年ヤクルト、17年巨人の9連敗を抜くワースト。今季は日本ハム、巨人、ヤクルトが2桁連敗を喫し、1シーズン3チームが2桁連敗は02年の横浜13連敗、ロッテ11連敗、オリックス10連敗以来、15年ぶり。セ・リーグで2チームは99年の広島13連敗と阪神12連敗以来。