絶好調! 16日から2軍戦線に復帰した楽天オコエ瑠偉外野手(19)の勢いが止まらない。巨人戦に「1番中堅」で先発し、6打数3安打3打点1盗塁。4戦連続安打で合計16打数7安打、打率を4割3分8厘まで上げ奮闘中だ。右手薬指付け根付近の靱帯(じんたい)損傷の手術から完全復調をアピールし、さらなる成長に向けて爆進する。

 「オコエ劇場」は初回からフルスロットルだった。内角直球を左手1本で押し込み中前に運ぶと、出塁して3球目には二盗を決めた。3回2死二、三塁では強烈な二ゴロを放ち一塁へ激走。2点適時内野安打とし「調子いい感じ。今までやってきた成果が出ている」と胸を張った。

 打撃改造が実っている。昨年6月17日の交流戦で対戦したDeNA久保に衝撃を受けていた。タイミングの取り方が大きかった当時のオコエは、球界一といわれる久保の高速クイックに差し込まれ3打数1安打に封じられた。その反省から今年は「恐怖の2番打者」ペゲーロの打撃フォームを参考にしている。打席内での動きを減らしノーステップに近い形をまねることで打撃が安定し「凡退した打席でも、自分のポイントでちゃんと打てている」と分析する。

 周囲もオコエの成長に目を細めた。平石洋介2軍監督(37)は「体の移動が大きすぎてブレてしまっていたけど、今はちゃんと呼び込めている」と評価する。成長するために、打撃フォーム改造の決断をしたオコエも「ケガがあったからこそ、自分を見つめ直す時間ができた」と前を向いた。

 4戦連続安打で早期1軍昇格も視野に入るが、首脳陣は現実を見ていた。平石2軍監督は「去年よりは成長しているけど、まだまだやらなきゃいけないことは多い」と今後もファームでの成長を望んだ。一方のオコエも冷静に自分の立ち位置をわきまえていた。「今のまま上がっても活躍できない。守備、走塁も大事だけど、打ってこそ。もっと力をつけてから上がりたい」。首位を走る本隊に必要なピースになれるのか。もがき苦しんで成長を続けてきたオコエに注目だ。【高橋洋平】