2位が視界に入った。DeNAが2位阪神に逆転勝ちし、今季最多の5連勝で1ゲーム差に迫った。

 打線にさらなるつながりを求め、アレックス・ラミレス監督(42)が組み替えを敢行。7番に下げた梶谷隆幸外野手(28)が4回に決勝2点適時二塁打を放ち、5回には2番石川雄洋内野手(30)が2号ソロを放った。9試合連続マルチ本塁打のセ・リーグ記録は逃したが、しつこい攻撃に磨きがかかった。一丸で上位を目指す。

 2番石川が高々と打った。7番梶谷の適時二塁打で逆転した直後の5回。阪神先発メッセンジャーの外角直球に踏み込んだ。「次がゴウ(筒香)。とにかくゴウに回したい。とりあえず、ゴウに」。頼もしい横浜高の後輩が控えているから、角度ある直球にも素直にバットが出た。剛腕からの逆方向は「一番、予想していない結果」。揺れる流れを引き寄せるに十分の2号ソロになった。

 8試合もマルチ本塁打を続けてきた。9試合ならセ・リーグ記録タイだった。ホームランは2試合連続で2番に入った石川で打ち止めも、この日から7番を組み替えたDeNA打線は、静かながらも迫力あふれる攻撃でメッセンジャーを攻略した。降板した5回までに39球もファウルを放ち、梶谷への敬遠気味の1個を含む、6個の四球を選び、126球も投じさせた。石川は本塁打の前の打席、13球も粘って四球を取った。

 「もっとスモールベースボールをしたい」。ラミレス監督は、開幕からこだわってきた2番梶谷を潔く7番に下げ、石川を据えた。

 ラミレス監督 倉本の9番を変更するつもりはない。得点力の高い、1番桑原からの上位につながる。2番はバントも必要。石川はバントができる。梶谷は少し三振が多い(試合前でリーグ最多の83個)。1打席目から三振してしまうと…。彼が塁に出て、8番の投手がバントして、倉本につなげる。もっといい流れができる。

 送りバントに積極的でない監督が「バント」という言葉を繰り返した。6月30日から筒香を3番に置き、超のつく攻撃的なオーダーを組んでいる。広島と阪神を追い掛けるには、ここぞの1点を奪うつなぎが欠かせない。首位打者の宮崎が5安打するなど派手さも健在。そこに「しつこさ」という攻め手も加えた。「今はどこからでも点が取れる」とラミレス監督。連勝を伸ばし、上を食う。まずは今日、2位阪神に並ぶ。【宮下敬至】