「病院で見たの。嫁と2人で号泣。ダメだね。泣いちゃうねって。度合いも場所も違うんだけど、分かるのよ。つらさ」。同学年の34歳。面識はないが、ブログを見ては「強い人。つらいのにあの笑顔で」と支えになった。同じがん患者からの数え切れないほどの手紙も届き、読んでは泣いた。「オレなんか楽勝。やらないと失礼」と前を向けた。

 今月7日に最後の抗がん剤治療を終え、この日3軍に合流。もちろん、目標はここではない。

 「1軍の舞台が一番。そこで活躍するのが目標ですから。同じ病気の方に勇気を与えるのが僕の使命」。まずはトレーナーのメニューを軸に、自身の体と相談しながら筋肉量を上げていく。少し痩せたスピードスターは、必ず笑顔でマツダスタジアムに戻ってくる。【池本泰尚】

 ◆赤松真人(あかまつ・まさと)1982年(昭57)9月6日、京都府生まれ。平安(現龍谷大平安)-立命大を経て04年ドラフト6巡目で阪神入団。05、07年ウエスタン・リーグ盗塁王。07年オフ、阪神にFA移籍した新井の人的補償で広島へ移籍した。182センチ、75キロ。右投げ右打ち。