中日柳裕也投手(23)はカープ男子だった? 22日の広島戦(マツダスタジアム)に先発見込みの柳が、「登板前に相手の応援歌を聞きます」と衝撃告白した。そのココロは-。

 夜な夜な動画サイトで「広島 応援歌」と検索する。画面いっぱいに真っ赤なスタンド。イヤホンを通じて流れるのは「カープ、カープ♪」の名物曲。はたまた「2文字応援歌」といわれる人気の「ま! る!」か。広瀬純から受け継いだ菊池のファンファーレも大音量で、猛攻のノロシになっている。

 宮崎出身の柳はカープファンではない。むしろ、幼少期からプロ野球中継はほとんど見なかった。今でも、どれが誰の応援歌かはまるで分かっていない。

 「相手チームのことを知るためです。球場でいきなり聞くよりもいい。すんなり入れると思っています」。クレバーなドラ1右腕は笑顔で理由を明かした。これまで投げてきた京セラドーム大阪や東京ドームでも、事前に敵の応援を耳になじませてきた。

 中日は今季、マツダスタジアムで6戦全敗。前回は3戦8被弾と散々だった。どの投手も雰囲気にのまれたように見えたが、柳は違った。2日は初体験のマウンドで6回まで快投を演じ、7回3失点の好結果。大声援にひるまない堂々の態度だったが、“予習”の成果だったというわけ。

 近藤投手コーチは「普通にできるかどうかだけ」と同スタジアムの攻略法を語る。敵を知れば百戦危うからず。鬼門突破への道は意外なアイデアから開けるかもしれない。【柏原誠】