投げる“管理栄養士”だ。西武菊池雄星投手(26)が7回5安打12奪三振、無失点でハーラートップタイの10勝目。防御率もリーグトップとなった。今季初の中5日もクリア。自身3連勝で今季3度目のチーム6連勝を導き、投手の軸として風格が漂ってきた。

 予定通りの投球だった。6月30日オリックス戦で直球を狙われたため「銀さん(炭谷)と話していた」と、序盤は変化球を軸にした。3回までに7奪三振。決め球はすべてスライダーとカーブだった。

 4回以降は配球を直球中心に変えた。3回まで「そのためのスライダー、カーブだった」と力をためていた。前回登板での「ギアを上げたいところで上げられなかった」という反省を生かした。5回は無死満塁を内野ゴロ2つで切り抜け、6回は1死一、二塁を直球で捕飛と三振に斬った。4~7回にこの日最速の155キロマーク。ペース配分が絶妙だった。

 体調管理の鬼だ。今季初の中5日にも「疲れは感じなかった」。自信の源は栄養管理。「食べ物を見れば大体成分が分かります」と話すほどの知識量。ケガで戦列を離れた期間に勉強してきた。蒸し暑い時期は「カフェインの量を控えめにしてます。腎臓に負担がかかるし、リカバリーのために」。好きなコーヒーを我慢し、好調を維持する。

 2年連続の2桁勝利に到達し、防御率も1位に立った。「ケガなくやっていれば勝ち星もついてくる。まだ10試合くらいある。長いイニングを投げることだけ。チームも僕も3位じゃなく、1、2位を狙っている」。個人成績よりチームを強調した。【斎藤直樹】