自問自答する中で「力だけでなく、しなやかさも必要」と気が付いた。今季から肩甲骨回りを中心に柔軟性を上げるトレーニングに着手。「これだけの関節があるんだから、活用しないといけない。去年うまく動かなかった歯車に、油を差している感じです」。地道な努力が礎となり、真っすぐがよみがえった。

 辻監督も「初回を見て、これはいいなと思った。非常にいい投球」とたたえた力投に打線もかみ合った。前回、本拠地10連勝を飾った92年は日本一。指揮官も、その黄金期を支えた一員だった。「当時は力があった。それに近づけたい。今は、選手の意識が少しずつ変化してきてると感じている」。

 首位楽天とは6ゲーム差。十亀は「勝つことで、差は確実に縮まる。次は完投できるようにしたい」と力を込めた。差はまだ大きいが、この勢いがあれば-。立ち止まることなく、優勝争いに食い込む。【佐竹実】

 ▼西武が7月21日日本ハム戦から10連勝。西武の2桁連勝は11年9月に10連勝して以来、6年ぶり11度目になる。本拠地のメットライフドームでも7月10日ロッテ戦から10連勝。79年に完成した同球場で2桁連勝は、辻監督が現役でプレーしていた86年6~7月11連勝、90年6~7月10連勝、92年5~6月15連勝に次いで25年ぶり4度目。メットライフドームで10連勝したシーズンの西武は過去3度とも優勝しているが、今年はどうか。