勢いが止まらない。投打がかみ合った西武が楽天に快勝。11年以来、6年ぶりの10連勝&92年以来、25年ぶりの本拠地10連勝をダブルで決めた。先発の十亀剣投手(29)が7回3安打無失点の好投をみせれば、打線も相手のミス逃さず、6安打で8得点を挙げるそつのない攻撃を披露。上位2強に割って入り、ペナントレースを熱くする。

 十亀がダブル“十”連勝を決めた。最速150キロの直球を軸に強気に内角を攻めて6勝目。「いろいろな“十”がかかった試合。僕(十亀)ってところもありましたし、ここで(連勝を)止めるわけにはいかない。今年一番よかった内容。自分の仕事が出来てよかった」と、ホッとした表情をみせた。

 力で壁を乗り越えた。ここまでの5勝のうち、4勝は6回2失点で挙げたもの。その6回にピンチを迎えた。3点リードの2死二塁で打席はウィーラー。1発食らえば2失点だけでなく、流れも渡しかねない局面。全球直球の真っ向勝負を挑んだ。147キロで遊ゴロに仕留めるとグラブをひとたたき。7回無失点で“6回男”を卒業し「1歩前進したかな」とうなずいた。

 昨季は、「自分の軸」であるその直球が、思い通りに走らなかった。球速は140キロ台前半。オフから肉体強化に取り組んでいたが「結果がなかなか球に表れなかった」。焦りから思い切り腕を振るだけになる悪循環。「心がついてこなくて。自分の中の歯車がかみ合わなかった」と明かした。