阪神鳥谷は、また球団史に名を残した。2回1死、右腕井納のスライダーを打ち損じるも、高くはずませて遊撃内野安打をゲット。今季100安打目をしぶとく記録し、プロ2年目の05年から13年連続シーズン100安打を達成した。

 阪神ではこれまで藤田平、和田豊の12年連続が最長記録だった。球団記録を更新し、「そうなんですか? そんなことは全然考えていなかったですけど、1日最低1本とはいつも考えているので」と謙虚に振り返った。

 1年も途切れることなく100安打を打ち続けてきた。これは第一線で働き続けてきた勲章といえる。絶不調に苦しんだ昨季の100安打到達日は9月11日ヤクルト戦(神宮)。1年前から約1カ月早い大台到達は「完全復活」という言葉を証明してくれる。

 1点リードした直後の10回2死一塁では左腕砂田のスライダーに食らいつき、左翼線にポトリと落ちる二塁打もマーク。3試合連続マルチ安打を決め、通算2000安打まで残り27本とペースを上げてきた。試合後は接戦を制したこともあって「どういう形でも勝てたのは良かった」と納得顔。日々、目の前の1勝を追求していく。【佐井陽介】