藤浪よ、立ち直ってくれ…。阪神藤浪晋太郎投手(23)が、5月26日DeNA戦以来82日ぶりとなる1軍マウンドに上がったが、5回途中7安打3失点で広島打線にKOされた。2回に大瀬良、4回に菊池と、すっぽ抜けが死球になるなど計7四死球と大荒れ。約2カ月半にわたる2軍調整の成果を発揮できず、自身4敗目(3勝)を喫した。首脳陣は一定の評価を与えたものの、再び出場選手登録を抹消されることが濃厚になった。

 藤浪は歯を食いしばったまま、目線を上げられなかった。3点ビハインドの5回2死二、三塁、8番石原へのカットボールが大きく抜けて四球を与えた。2死満塁とはいえ、次打者は9番大瀬良。投手との対決を目前に降板を告げられ、あまりの情けなさに表情がこわばった。小走りで一塁ベンチへ。降り注ぐ温かい拍手が、切なかった。

 金本監督は試合後、交代のタイミングについて「やっぱり押し出しというのも頭をよぎっただろうし」と説明した。苦渋の決断を下さざるを得ないほどの状況だった、ということだ。4回2/3で107球を要し、7四死球7安打で3失点。信じたくない数字の数々は残念ながら、事実だった。