またデラックスな仕事をやってのけた。広島松山竜平外野手(31)が1回に11号先制2ランを放つなど、2安打3打点の活躍で勝利に貢献した。4番で4試合連続打点の「マツコ」と呼ばれる大砲に引っ張られるように、チームは3度リードを追いつかれながら、9回には安部友裕内野手(28)の逆転サヨナラ弾で2位阪神に劇的勝利。4連勝でマジック12を再点灯させた。

 4番のバットが試合を動かした。1回2死二塁。広島緒方監督が「マツコ」と呼ぶアンパンマンこと松山が、藤浪の初球、139キロスライダーを完璧にとらえた。右翼ポール際の打球は切れることなく、そのままスタンドイン。「積極的にいきました。うまくとらえることが出来ました」と両手に残った感触を笑顔で振り返った。

 シーズン11本はプロ10年目で自己最多。内角低めの変化球をすくい上げる得意技で決めた。絶対の自信を持つ低めを拾い上げる技術。「1回、関節を外しているイメージ」と冗談交じりに解説する。上体だけを曲げて手を出すと、重心が上がる。体全体を使ってボールをつかまえるイメージが「関節外し」だ。この日のアンパンチも、フルパワーをバットに伝えていた。