阪神掛布雅之2軍監督(62)が今季限りで退任する方向であることが9日、分かった。15年オフに発足した金本新体制の目玉人事として入閣し、若手育成を託されてきた。ただ、球団はさらにチーム強化を推し進めるためにも、組織のテコ入れが必要と判断した。近日中に正式発表される見通しで、今後、後任の選定に入る。球団は掛布氏の経験豊富な野球観を欠かせないと判断し、フロント入りを要請しているとみられる。

 今季、チームは2位につけるが首位広島に9・5ゲーム差をつけられ、逆転優勝は絶望的。中谷や大山らが成長したが、いまも福留、鳥谷、糸井らベテランに大きく頼らざるを得ないのが現状だ。すでに金本監督の続投は確定的だ。球団内では1、2軍の育成強化方針を見直し、勝負の金本体制3年目に向けて、てこ入れが不可欠だと判断。組織を活性化して刷新していくためにも、掛布2軍監督が退任する方向だという。

 掛布氏は13年10月からGM付育成&打撃コーディネーターに就任。現役を退いた88年以来、25年ぶりに古巣復帰し、主に2軍の若手に助言してきた。昨季からは2軍監督として情熱的に厳しいプロ意識を植えつけてきた。