阪神今岡真訪(まこと)2軍打撃兼野手総合コーチ(43)が今シーズン限りで退団することが23日、明らかになった。16年からファームの指導者として、チーム最多20本塁打に到達した中谷、2軍で球団史上最多21本塁打の陽川、ドラフト1位ルーキーの大山ら、若虎を育てる実績を築いた。今後はロッテ次期監督に井口資仁内野手(42)の就任が正式決定すれば、2軍監督として入閣する可能性が高く、96年アトランタ五輪コンビでロッテ再建に向かう。

 若虎の指導に情熱を注いできた今岡コーチの退団が確実になった。すでに球団側には申し入れている。周囲の関係者は「本人の意思は固いようだ」と語っていることからも、今シーズン限りで阪神と別れをつげることになりそうだ。

 今季20本塁打でブレークした中谷は、昨季から今岡コーチが徹底指導した結果だった。積極性が持ち味で、新人ながら1軍の4番も経験した大山とはファーストストライクのスイング率を研究してきた。今岡コーチの後押しを受け、陽川は2軍で球団史上最多21本塁打を放つ成長を示した。

 現役時代は03、05年の優勝メンバーで、首位打者(03年)、打点王(05年)のタイトルも獲得。その後、トライアウトで入団したロッテ時代は、2軍で若手に交じってプレーしながらコーチ業も兼任。16年に指導者として阪神に復帰し、それまでの貴重な経験を生かしてきた。

 ある関係者は「本人はひとつの節目を迎えたと考えているのではないだろうか」と代弁。阪神2軍コーチだった2シーズンでは「振る」ことを基本に掲げながら、自らの独特の野球理論をもって若手を導いた。一定の成果を残したこともあって区切りをつける意思を固めたようだ。

 今後は、ロッテ次期監督への就任が決定的になった井口資仁内野手(42)が正式誕生の運びとなれば、2軍監督として招聘(しょうへい)される可能性が高い。ロッテ側もシーズン終了と同時に速やかにアプローチすると思われる。

 同じ東都大学リーグ出身の井口(青学大)は、ともに74年生まれの同学年で、良きライバルでありつつ親友の間柄。96年アトランタ五輪では二遊間を組んで銀メダルを獲得。ダイエー、大リーグを経て09年にロッテに入団した井口と、10年から引退する12年まで3年間ロッテでチームメートだった。低迷したロッテを五輪コンビがタッグを組んで再建に向かうことになりそうだ。

 ◆今岡真訪(いまおか・まこと)1974年(昭49)9月11日、兵庫県生まれ。PL学園-東洋大を経て96年ドラフト1位で阪神入団。03年に首位打者(3割4分)、05年には147打点をあげ打点王獲得。両年の優勝に貢献した。12年にロッテで引退。16年から古巣の阪神にてコーチを務めていた。通算1309試合、1284安打、122本塁打、594打点、打率2割7分9厘。現役時代は185センチ、83キロ。右投げ右打ち。17年に本名の誠(まこと)から登録名を変更。