左手親指付け根の剥離骨折で離脱していたソフトバンク内川聖一外野手(35)が29日、チームを2年ぶりの日本一へ導く決意を語った。今日30日からのオリックス戦(京セラドーム大阪)に向けて大阪入り。約2カ月ぶりに1軍合流した主将は思いを言葉に乗せた。

 「1年間やってきた結果をチームとして出さないといけない。最後はやっぱり日本一になって終わりたいし、どんな時でもグラウンドに立ってその瞬間を迎えたい。みんなが頑張ってつくってくれたチャンスなので、それを最後自分がどうできるか。日本一になって恩返しができればと思う」

 内川の負傷後、4番を任されてきた柳田も右脇腹を痛めて離脱中。クライマックスシリーズ(CS)での復帰も微妙な状況である柳田の心情も思いやった。

 「僕の場合は(離脱中に優勝して)複雑だったけど、勝ってくれたから救われたし、ホッとした。柳田の場合はずっとやってきて最後に離脱したから、もどかしさは十分理解できるし、いなくなって負けるほうが傷つく。柳田にそういう思いはさせたくない」

 23日の実戦復帰後、2軍では5試合に出場。前日28日には一塁の守備にもついた。

 今日30日は先発出場予定で、今後は1軍4試合に出場し、必要な場合はフェニックス・リーグにも参加してCSに備える。「どれくらいできるか楽しみ。自分のできることを落ち着いてやれれば」。誰もが待ち望んでいた主将の1軍復帰。頼れる男がついに打線の中心に加わる。【福岡吉央】