DeNAが2年連続クライマックスシリーズ(CS)進出を決めた。アレックス・ラミレス監督(42)の信念に基づいた采配が次々とはまり、今季最多の1試合5本塁打を含む15安打13得点で広島を13-7で破った。4位巨人が阪神に負けたため、2試合残して3位が確定。試合後は、南場オーナーから3季目となる来季の監督続投要請を受け、快諾した。チームは14日開幕のCSファーストステージ(甲子園)で阪神と対戦する。

 ハマスタがラミレス色に染まった。13-7というスコアの中にちりばめられた采配で、乱打戦を制した。CS出場を決めて、今季初めてお立ち台に立った指揮官は、謙虚に感謝した。

 ラミレス監督 本当に簡単ではなかった。取らないといけない試合を何試合も落とした。良いときも悪いときもついてきてくれて、本当にありがとう。

 今季を象徴するようなゲーム展開で、リーグ優勝した広島を制した。1回、3番ロペス、4番筒香の“新クリーンアップ”が連続アーチで先制。8番ウィーランドが左中間適時打で追加点を挙げた。今季開幕から「8番投手」を採用。そのきっかけがウィーランドの高い打撃力だった。賛否分かれるどころか否定的意見を耳にしても「いろんな意見があるのは分かっている。でも私はこれが正しいと信じている」と曲げなかった。そのウィーランドが2打席目に今季3号3ラン。目に狂いはなかった。

 ラスト5試合、筒香を4番に戻した。「4番筒香でCSを決めるんだ」。5回7-7の同点で、2本目となる勝ち越し弾で勝利を確信した。「4番が打てばチームの空気は一変する」。4番だった現役時代があったから分かっている。6月28日を最後に3番に配置転換し、再び戻した4番筒香で、球場との一体感を生み出した。

 勝負どころで意外性のある采配をする。「これは準備のたまもの。普段から準備をしているからこそ、誰もやらないようなアイデアが出てくる」。試合前、ベンチ裏では数字とにらめっこ。敵も味方もデータを頭にたたき込む。「采配の8割、9割はデータが基になる。でも残りの部分はひらめきだったり、勘だったりする」。7回には開幕から先発ローテの井納を中継ぎに起用。やれることはすべてやった。

 昨季はCSファイナルステージで敗れた。「もっとやれるという思いがモチベーションになって、まったく違う戦いができると思う」と自信を口にした。まずはCS突破。昨季届かなかった日本シリーズを夢で終わらせない。【栗田成芳】