富士大(岩手・北東北)が仙台大(仙台6大学)を2-0で下し、2年連続4度目の明治神宮大会出場を決めた。0-0の7回に、主将の6番小林遼捕手(4年=仙台育英)が右越えに決勝の場外2点本塁打を放った。投げては先発左腕の鈴木翔天(そら、3年=向上)とエース右腕加藤弦(4年=八重山商工)が無失点リレーを完成。明治神宮大会は11月10日に開幕し、同日に行われる1回戦で関西5連盟第1代表と激突する。

 試合を決めたのは最上級生の意地だった。2-0の9回2死一、三塁。4年生エース加藤が、最後の打者を外角低めのスプリットで三ゴロに打ち取った瞬間、マウンド上には赤と白の歓喜の輪が咲いた。7回に決勝2ランを放った主将の小林を始め、全員が笑顔で整列に加わった。

 小林 素直にうれしい。(決勝弾は)ヘッドが走って前でさばけた。ホームランになるとは。変化球勝負で来ると思っていた。ワンバウンドなら振っていた。

 相手より1本少ない3安打でも勝った。7回2死二塁。1-2の4球目、甘く真ん中に入ってきた直球を右越え場外に運んだ。相手エース岩佐政也投手(4年=柴田)のこの日唯一の失投を1球で仕留めた。21日の東北福祉大(仙台6大学)戦でも8回に4番三浦智聡内野手(4年=盛岡大付)が同点ソロを放っており、豊田圭史監督(33)は「去年は長打を打てなかった。今年は良いところで出ている」と成長を実感する。

 大駒不在でも、結束力で神宮切符をつかみ取った。4年連続のプロ入りが今年で途切れたが、小林は「リーグを戦ってきた中で成長してきたチーム。個々の力は低いけど、まとまると強い」と手応えを口にする。阪神にドラフト2位で指名された昨年のエース小野泰己の卒業で不安視された投手陣は4年で開花した加藤が春から支えた。「去年ほどすごい投手がいないけど、勝てているのはチーム力が高い証拠」と胸を張る。

 8月に完全試合を達成した鈴木翔と加藤の左右2枚看板と、長打力のある切れ目のない打線で初の日本一を狙う。入学から7度目の全国に出場する小林は「チーム全員で戦えば勝てる。平常心でいかに臨めるか」。岩手の常勝軍団が、一枚岩で神宮に乗り込む。【高橋洋平】