稲葉ジャパン初戦で、“4割男”が、らしさを発揮した。「ENEOS アジアプロ野球チャンピオンシップ2017」(16~19日、東京ドーム)に向けて強化合宿中の侍ジャパンは12日、宮崎市で日本ハムと練習試合を行った。1点を追う3回2死三塁から、「5番DH」の日本ハム近藤健介捕手(24)が同点とする左中間越え適時二塁打を放った。2回先頭でも左中間越え二塁打と、3打数2安打1打点と打撃力をアピールした。試合は3-3で引き分けた。

 侍ジャパンの初陣で、魅力の一端を披露した。「幻の4割打者」近藤健が、中軸の役目を全うした。1点を追う3回2死三塁。カウント1-2と追い込まれてから、逆方向への打球を放った。同点とする左中間越えの適時二塁打。「得点圏で期待されていますし、あそこで1本出て良かった」。対戦相手として指揮を執った日本ハム栗山監督が「歩かせようと思ったよ」と苦笑するほどの勝負強さを発揮した。

 この日は「5番DH」でスタメン出場し、持ち味の打撃力をアピールした。2回先頭の第1打席でも左中間越え二塁打を放つなど、3打数2安打1打点。「クリーンアップは走者をかえすことが大事になる」という役割を自覚した上で、しっかりチャンスメークもできた。「2番」での起用も選択肢の1つとする稲葉監督は「近藤選手のバットコントロール、勝負強さが生かされるのかなということで今日は5番にしました。(適時二塁打は)あれも追い込まれながら左中間に彼らしいヒット」と、たたえた。

 今季は腰部椎間板ヘルニア手術を受け、出場57試合にとどまった。6月に離脱するまで、打率4割超えを46試合キープ。球団最長記録を更新していただけに、悔しさが残った。栗山監督は「(来季の)軸なので。そういう意味でも(侍ジャパン選出は)良いタイミングだった」と期待感を隠さない。古傷を癒やし、万全で迎えようとしている7年目のシーズンへ。まずは侍ジャパンの一員として「自覚と責任を持ってやらないといけない」と頼もしく、日の丸を背負う。【田中彩友美】